TTSneo1.5では、オブジェクト関連の機能を大幅に修正しました。
そのため、仕様変更や不具合が原因で、以前作成したプログラムが実行できなくなることがあります。
TTSファイルやDLL版で作成したプログラムは、更新することで動作しなくなる可能性があります。
安定した動作が必要な場合は、TTSneo1.5をインストールしないでください。
今回の改良では、TTSneo以前からの分かり難い、使いづらい文法や機能が大幅に改良されました。
今後も、中規模以上のプログラムの作成にも対応できるように、少しずつ改良を行っていく予定です。
「参照」命令を実行すると、その時点で参照先のTTSファイルの先頭(「はじめ」にあたる部分)を実行するように変更しました。
分散化を利用する場合に、変数の初期化などが可能になります。
これまで、「ここだけの変数」命令は、手順の中のみ有効でしたが、
「参照」命令で参照されたTTSファイルごとに、変数を管理することも可能になりました。
分散化を行った際に、変数についても分離して管理することが可能になります。参照命令の例 参照元.tts
「参照先.tts」を参照
番号表示 ’参照先の手順を実行
初期番号を表示 ’何も表示されない参照先.tts
ここだけの変数は、数
初期番号は 10
手順は 番号表示
初期番号を表示 ’表示される
終わり
TTSneoの変数の有効範囲
TTSneoデザイナでは、複数のTTSファイルを同時に開く、TTSneoプロジェクトファイル(*.tpj)を追加しました。
一つのファイルを開くだけで、複数のファイルを開くことができるので、分散化してプログラムを作っている場合に便利です。TTSneoデザイナの「名前を付けて保存」を選び、ファイルの種類を「TTSneoプロジェクトファイル」へ変更して保存してください。
従来よりオブジェクトに番号を指定する必要がありましたが、番号を指定する必要がなくなりました。
これまでは、 [オブジェクトの種類][番号]を作れ とオブジェクトを指定する必要がありました。
最新版より、この書き方に加え [オブジェクトの種類]を[オブジェクト名]として作れ と、番号を指定することなく作成できます。この変更は、TTSneoデザイナの「ウィンドウの編集」でも対応しており、これまでのオブジェクトの番号による管理が不要になり、大幅にプログラムが作りやすくなります。また動作も安定しております。
従来
ボタン1を作れ
ボタン2をOKボタンとして作れ最新版
ボタン1を作れ
ボタンをOKボタンとして作れ
従来バージョンより段階的に、オブジェクトの位置や大きさを指定する際に、"( )"を指定することができるようになりました。
特に「、」を使って座標を区切る場合、今後の仕様変更により、正しく動作しなくなる可能性がありますので、書き換えることをお勧めします。また「,」で区切った場合には問題なく、最新版でも、従来の書き方で正しく動作します。ボタン1の位置と大きさを(10、10、30、50)に変えろ
ボタン1の位置と大きさを10,10,30,50に変えろ
TTSneo1.5では、以前作成した複数のウィンドウを使ったプログラムを実行すると、
正しく動作しなくなる・エラーメッセージが表示されるようになることがあります。これは、TTSneo1.5で、オブジェクトを指定する際の"現在ウィンドウ"の動作が変更されたためです。
"現在ウィンドウ"とは、現在操作中のウィンドウのことで、オブジェクト名にウィンドウ名を指定しなかった場合の既定のウィンドウのことです。従来は、別のウィンドウのオブジェクトを使用・指定した直後、"現在ウィンドウ"がそのウィンドウに移りましたが、最新版では変化しません。以下の例を参考にしてください。
例
以下のような構成の2つのウィンドウを作った場合ウィンドウ1
テキスト1
固定ウィンドウ1
テキスト1
ボタン1このような構成で、固定ウィンドウ1のボタン1を押したときに、
ウィンドウ1のテキスト1の内容を、固定ウィンドウ1のテキスト1に入れるプログラムを作るとします。手順は 固定ウィンドウ1のボタン1をクリック
もし ウィンドウ1のテキスト1の内容は、「」 なら 抜ける
内容は、テキスト1の内容
固定ウィンドウ1のテキスト1の内容は、内容
終わり従来の場合
2行目で、現在ウィンドウが「ウィンドウ1」へ移り
3行目の「テキスト1の内容」は、ウィンドウ1のテキスト1を表します。最新版の場合
2行目で、現在ウィンドウは変化せず、「固定ウィンドウ1」のままとなり、
3行目の「テキスト1の内容」は、固定ウィンドウ1のテキスト1を表します。この改良によりオブジェクトを指定する際、必要な場合のみウィンドウ名を入力すればよいので、作成が楽になります。
改善方法
修正方法が不明な場合は、エラーが表示される部分や動作がおかしい部分のオブジェクト名に、ウィンドウ名を付けてください。ウィンドウ名を含めて指定している場合は、今回の変更では影響ありませんが、ウィンドウの変化を考慮してオブジェクトを指定している場合は、「オブジェクトが見つかりません」などと言ったエラーが表示されます。
手順は 固定ウィンドウ1のボタン1をクリック
もし ウィンドウ1のテキスト1の内容は、「」 なら 抜ける
内容は、ウィンドウ1のテキスト1の内容
テキスト1の内容は、内容
終わりまたは、「使う」命令でウィンドウを指定することで、現在ウィンドウを変えることができます。
手順は 固定ウィンドウ1のボタン1をクリック
ウィンドウ1を使う
もし テキスト1の内容は、「」 なら 抜ける
内容は、テキスト1の内容
固定ウィンドウ1を使う
テキスト1の内容は、内容
終わり
TTSneo1.5より、C/C++やJava、C#のようなコメントの書き方がサポートされます。
複数行またがるコメントにも対応しています。命令 ’従来からのコメント
命令 //コメント
/* コメント
コメント */
辞書機能(連想配列)の書式を変更しました。
これまでの関数のような書き方に加え、 [変数名]の[要素名] といったより自然な書き方も可能になりました。※[要素名]は、必ず「 」または[ ]で囲ってください。
この辞書機能は、C言語などの構造体に近い概念であり、メソッドを定義することなどは出来ません。商品の「名前」は、「ボールペン」
商品の「値段」は、「100円」
商品の「名前」を表示一覧の「すいか」は、「620円」
一覧の「りんご」は、「200円」
一覧の「もも」は、「290円」
果物名は、「りんご」
一覧の[果物名]を表示
・「押したキーは」命令を追加
「〜でキーボードを押す」「〜でキーボードを離す」「〜に入力」手順で、「押したキーは 「」」とすることで、押したキーを無効にすることができます。’Ctrl+Zを無効にする
手順は ウィンドウ1の拡張テキスト1でキーボードを押す
もし 押したキーは、「コントロール+Z」 なら
押したキーは、「」
もし終わり
終わり
いままで不自由でした、文字操作に関する命令や関数を追加しました。
変数から文字を切り取り、切り取った部分の内容を表します。
内容は、「ABC123TTSneoあいう」
切り取り(内容、4、3)を表示 ’4文字目から3文字
切り取り(内容、右、3)を表示
切り取り(内容、左、3)を表示
内容を表示
以前は、テキスト・文章テキストオブジェクトのみに対応していましたが、変数にも対応しました。
内容は、「りんご」
内容に「みかん」を改行して挿入
内容を表示
以前は、オブジェクトの削除のみでしたが、変数にも対応しました。
内容は、「TTSneo2005」
内容を左から3だけ消せ
内容を5から2だけ消せ
内容を表示
オブジェクトに関する仕様の変更に伴い「ウィンドウの編集」でも対応しました。
動作が不安定でしたオブジェクト名の指定も安定動作するようになりました。
注意点など
以前のバージョンで作成したウィンドウを再編集すると、手順内に「[ウィンドウ名]を使う」が2つ存在します。
その場合は、最初の「[ウィンドウ名]を使う」を削除するようにしてください。ウィンドウ1の表示
待機
手順は ウィンドウ1の表示
ウィンドウ1を使う
’ウィンドウの編集で自動処理されますので、
’下のプログラムは、変更しないでください!
’<ウィンドウ1>
ウィンドウ1を使う
ウィンドウ1の中の大きさを(312,213)へ変えろ
その名前を「ウィンドウ1」へ変えろ
その背景を&h8000000Fへ変えろ
’</ウィンドウ1>
’自分でプログラムを入れたいときは、必ずこれより下に入力してください
ウィンドウ1を表示
終わり